喩えて言うなら


昨日は、名古屋での市民公開講座(中日新聞主催)で講演した。仕掛け人の水谷三浩先生(愛知県がんセンター愛知病院)の1500人集めますから、という約束どおり会場はほぼ満員となった。演者はふたり、私と名古屋市立大学の遠山竜也先生。遠山先生は、分子標的薬剤とはなにか、という話を丁寧な語り口で、わかりやすく説明、真面目な性格がにじみでました。私は、新作ネタ「漫談・がんの好物」を話しました。遠山先生が使ったスライドのなかに、おやっ、ひさしぶりだね、というのがありました。私が、まだ、マッキントッシュのパースエージョン3.0を使っていたころに作ったもの、抗がん剤にたとえて、ヘリコプターで農園に空から農薬をまく絵です。これは、雑草(がんの喩え)を除去するために農薬(抗がん剤の喩え)をまくと、農夫や家畜(正常細胞の喩え)にも悪影響(副作用の喩え)が及んでしまうという絵。私は昔から使用したスライドは、ほしいという人にさしあげてきたので、こういうことは時々あります。うれしかったのは、遠山先生がスライドを私の作成の意図の通りの目的で使用してくれていたことでした。最近、深海からカレイが、20年前の風船メッセージを運んできたという話がありましたが、それとちょっと似たような感覚です。市民公開講座では、名古屋のご意見番、三浦重人先生、小林俊三先生もご臨席。小林先生からは、閉会のご挨拶で、「渡辺先生は、国立がんセンターを辞めて浜松の戻る前に、吉本興業あたりに留学していたのではないか」とお誉めのお言葉をいただきました。恐れいいります。恥ずかしい
 
おなかすいたんだな

投稿者: 渡辺 亨

腫瘍内科医の第一人者と言われて久しい。一番いいがん治療を多くの人に届けるにはどうしたらいいのか。郷里浜松を拠点に、ひとり言なのか、ぼやきなのか、読んでますよと言われると肩に力が入るのでああそうですか、程度のごあいさつを。

“喩えて言うなら” への 1 件のフィードバック

  1. 渡辺先生、はじめまして。26日に名古屋公開講座に参加させていただきました。当方は4年前に乳癌を患い、現在はホルモン治療をして経過観察中の身です。今までこのような公開講座や講演に参加したことはなかったのですが、今回のテーマが「乳癌とは?」というものではなく、現在患者である方々へ向けての治療法、「分子標的治療」に関するものであった為お話を伺いたいなと。渡辺先生、遠山先生の腫瘍内科医と外科医対決(?)、とても興味深く拝見させてもらいました(笑)。なかでも渡辺先生のご講義には何度もクスクス笑わせていただき、とても楽しいものでした。こういった講座は正直途中で眠くなってしまったり堅い話が続いてつまらないものなんだろうなぁと考えておりましたので、お話の面白さに時間があっという間に立ってしまいました。山下清画伯の物真似、とてもお上手でしたよ!私は渡辺先生が例えられておられた〝草食動物〟して、癌のグレードが「1」ということ、ホルモン受容体陽性、であったためホルモン治療のみで抗癌剤は経験がないのですが、分子標的治療薬が今後抗癌剤の心体に及ぼすダメージが少しでも軽減できるものとして広く使用ができるようになると思うと希望がありますね。現在私はリュープリンが終了し、*アリミデックスのみを飲んでおります。ホルモンに関係するということから乳癌と〝卵巣癌〟の関係性も言われておりますが、実は乳癌治療が2年過ぎた頃卵巣に異常が発見され、手術の結果、卵巣癌・境界悪性(類内膜型)と診断されました。初期で境界悪性というものであったため、現在は乳癌ホルモン治療をしつつ、卵巣癌は無治療・経過観察となっております(両卵巣を取りました)。今回のご講義は10年という長いスパンで治療を考えなければならない乳癌患者として非常に有意義な時間をすごさせていただきました。失礼ながら渡辺先生のことを存じ上げていなかったので検索していましたらこのblogを発見。ご講義のお礼を、と思いましてコメントさせていただきました。ありがとうございました。またご講義があるときは参加させていただきたいと思います。季節柄お身体ご自愛くださいませ。

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