病診連携の幻想


20世紀の組織は「ピラミッド型」、21世紀の組織は「ネットワーク型」である。お役所のような古くさい組織は「ピラミッド型」だから、縦割り行政という弊害が生まれている。お役所と垣添が考えた癌診療拠点病院はまさにピラミッド型であり、国立がんセンターを頂点として、都道府県の拠点病院があって、その下に地域の拠点病院があって・・・。しかし頂点の国立がんセンターは崩壊の憂き目にあっている。実は消一くんががん化学療法をやっているような三流「きょとん病院」でも、地域のエゴと政治力と早い者勝ちで拠点病院に指定されている病院もある。浜松地域の営利追求型えすれい病院の勘違いした医師は「ここは拠点病院なのだからインフルエンザワクチンのようなくだらないことは近くの開業医にでもいってやってもらいなさい。」と暴言をはいてしおれた患者がうちに来た。一方、はやりの「チーム医療」はネットワーク型組織を想定したイメージであり、構成メンバーである医師、看護師、薬剤師などは、ネットワークのなかのノードとして位置づけられる。分からず屋のがんこ医師を頂点としたピラミッド型の組織に対するアンチテーゼとしてとても魅力的なコンセプトである。考えようによっては、医師の独断力をそぐための当局の陰謀であるという見方もある。
それで、あちこちで話題になっている癌医療の病診連携も、本来ならネットワーク型組織論で検討しなくてはいけないものなのに、旧態依然としたピラミッド型に当てはめようとしているところに無理がある。これでは、病院、患者、診療所の3者はWIN/WIN/WINにはならない。ある会で匙医師が言ったように、診療所へ患者を回せば病院医師は診療の負担が軽減され好きな実験ができるようになりHappy。診療所医師は非専門家という烙印を押され、化学療法をやってもリスクを背負わされるが外来化学療法加算も算定できず、やりがいもなく割もあわずUnhappy。患者も専門家の病院医師は忙しくて3か月に一度しかあえず、まわされた診療所の医師は、難しいことは病院で聞いてくれ、ここでは点滴と薬だけ、といわれ心配で不安で超Unhappy。WIN/LOSE/LOSEの関係になる。病診連携を検討する場合にはネットワーク型組織論に基づいて考えなくてはならない。しかし、最近どうやら千葉は癌診療の病診連携がうまくいっているらしいという情報を入手した。それはほんとうだろうか、宮内先生、教えてください。
広告

投稿者: 渡辺 亨

腫瘍内科医の第一人者と言われて久しい。一番いいがん治療を多くの人に届けるにはどうしたらいいのか。郷里浜松を拠点に、ひとり言なのか、ぼやきなのか、読んでますよと言われると肩に力が入るのでああそうですか、程度のごあいさつを。

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中