学生講義の憂鬱


先週、医学部3年目の病理の講義で「腫瘍内科入門」を話した。今年も事前から憂鬱な気持ちで準備を進めた。いつも言っているように、ボーっとしている、居眠りしている、他の勉強をしている、出たり入ったりうろうろする、下で携帯をいじっている・・・、そんなのほっときゃいいじゃん、という意見や、渡辺先生も苦労されていますね、という同情論など、この話題に触れると、いろいろなコメントをいただく。今年は講義の数日前に「ハーバード白熱教室」って言う、学生に考えさせて、インターラクティブに講義を進めて学生から素晴らしいコメントを引き出すサンデル教授の話を見たので、これ、真似してみよう、と資料を準備した。なぜか必ず、講義資料のスライドをハンドアウトとして配ることが必須のようになっているので、どんなことを考えて、どんな検査をしますか、治療はどんなふうに考えますか、というQにたいするAを黒塗りにした資料を作成し、学生に考えてもらうようにしたのだが・・・。教授とともに講義室に入っていくと前の授業が終わったばかりで、質問している学生が数名、前の方で講師と話していた。後ろの方では、わーわーキャーキャー、学生たちが雑談している。聞いていようがいまいがお構いなく教授が私を紹介したが、やっぱりだれも聞いていない。それで教授は「私は試験問題を作ります」と言って、あとよろしくということで退室。だが相変わらず、わいわいがやがやと騒がしい。以前に吉田茂昭先生がSたま医大の講義に言った時の状況を「まるで駅の待合室で大声張り上げて話すみたいなもんで、具合悪いぞ」と話してくれたのを思い出す。なので、これはいかんと思い、「では始めますから、席について静かにしてください」と大声で叫んでもみた。その時は一瞬、がやがやがおさまり、席に着く学生もいたが、外に出ていく学生もいて、一体何を考えているのか、と、冷や汗がでる。気を取り直して講義を初めて、「あなた方が外来で、こんな患者を診察するとしましょう。何をかんがえる?」とスライドを映して説明し、階段教室に分け入って登って行きながら、手元を見ると別の勉強をしている子がいたので「今はこの本を読んでいる時ではないよね、わかるよね。」と、優しく本を閉じてあげた。それでも、連れだって教室から出ていくもの、だいぶ遅くなって入ってきたバカ、出たり入ったり落ち着かないやつ、派手にねているやつ・・・。北大では、私が学生の時には外部からの講師の先生の講義には、失礼のないように、挨拶はきちんとしなさい、居眠りは言語道断などの、厳しい注意事項があった。また、教授は必ず一番前で最後まで座っていて、終了後に質疑応答を司会し、拍手を促して、外部講師の先生と連れだって出ていく、というのがルーチンだった。やはりそれが筋だと思うぞ。今回は、地域医療研修で当院に来ている研修医の橋本朋美くんをティーチングアシスタントとして連れて行った。帰りに彼女に感想を聞いてみたが、「いろいろな学生がいるから仕方ないんじゃあないですか?」と大人のお答えでした。つまらん! そんなのつまらん!! もっと熱く語れ、若者よ!!!

投稿者: 渡辺 亨

腫瘍内科医の第一人者と言われて久しい。一番いいがん治療を多くの人に届けるにはどうしたらいいのか。郷里浜松を拠点に、ひとり言なのか、ぼやきなのか、読んでますよと言われると肩に力が入るのでああそうですか、程度のごあいさつを。

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