サンアントニオ2日目の今日は、午前中にちょっとした山場がありました。HER2 Diseaseを対象とした術前治療で、ヨーロッパから三つのインパクトある演題が発表されました。マイケル ウンチ(ドイツ、声はいいが名前が微妙)、ルカ ジアニ(イタリア、イタリア語なまりがだいぶ消えてわかりやすい英語を話すようになった。アメリカ人の彼女でも出来たのだろうか)、ホゼ バセルガ(スペイン、活躍の場を求めてボストンMGHに移った。以前は時間を守らない発表だったが最近は、その点でもアメリカナイズされた)のドラッグハンター御三家により、それぞれ、GEPARQUINT試験:ラパチニブはトラスツズマブに勝てない、NEOSPHERE試験:トラスツズマブとペルツズマブの併用で決まり、NEOALTTO試験:トラスツズマブとラパチニブの併用で決まり、という、大変わかりやすい結果が方向された。Vogel from NewYorkも、Wonderful data, wonderful analysisとほめた。三つの試験をまとめてDiscussionしたのは、憲兵Eric Winerである。かれは、白熱した領域では、実に緻密かつ冷静に、コンサバな意見を当局的に主張するので、今日みたいな場にはもってこいの役者だ。AI3剤が壮絶な戦いを始めたころにも、ASCOのガイドラインで、TAMでもいい場合もあるぞ、みたいな、冷静かつ、今となっては的確な主張を続けたのを覚えている人も多いだろう。Eric Winerですら、Winner is the combination(勝者は併用だ)と言っているので、トラスツズマブとラパチニブの併用、あるいは、ペルツズマブがでれば、いきなりトラスツズマブとの併用という流れも出来てしまった。翻って、日本の行政当局は、このスピードについていけるだろか? 必死で「日本人での併用は安全性、有効性が認められていない」として、流れに竿をさすのだろうか。日本人特殊論に逃げ込んで、行政の不作為の愚を繰り返さないようにしてほしいものである。日本人と欧米人は、サルとイヌほどに異なると思っている人も中にはいるので、日本人特殊論は、そう簡単には払拭できないだろう。しかし、世界はかわっているぜよ、浦野さんよ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%88%86%E5%AD%90%E6%A8%99%E7%9A%84%E6%B2%BB%E7%99%82
パニツズマブ ×
パニツムマブ △
NEOSPHEREは
ペルツズマブが正しいです。
パニツムマブはpanitumumabで、ベクティビックスのことですね。パーツズマブは、Pertuzumabで、オムニターグ(Omnitarg)のことですが、これをペルツズマブと読む人もいて、混乱しますね。