市民講座は誰のため?


浜松に本拠地を置くNPO法人がん情報局では、2006年から乳がん市民講座を年2回開催しています。今週の市民講座には、患者、家族、医療関係者あわせて約250名が参加、うち約100名は初参加ですが、全15回参加の皆勤賞の方もいらっしゃいました。また、広島、三重、東京など遠方からの参加者もいらっしゃいます。この市民講座の特徴は、事前に参加者からの40-50の質問を医師、看護師、薬剤師など9名の回答者で分担して回答スライドを作成、すべてに対して正直に、真正面から答えるやり方です。抗がん剤の副作用を乗り越える方法、主治医とのコミュニケーションの取り方、手術後の痛みがとれない、再発が心配、がんによい食事や食品はない、など、似たような内容はまとめて答えるようにしていますが、毎回、2時間半を超える長丁場になります。終了時には会の進め方や感想をアンケートで尋ね、終了直後の反省会で、スタッフ全員で目を通すのもこの会の定番となっています。よく準備してわかりやすく解説してくれてありがとう、という感想が多く、準備した甲斐があったね、と皆で悦び讃えあうのも反省会の楽しみです。しかし、時間が長すぎる、会場が寒い、スライドの字が小さい、声が小さい、回答者がふざけすぎ、内容が難しすぎる、など、次回への反省材料となる厳しい指摘も多く寄せられます。反対に、もっと長くやってほしい、回答者はユーモアがあってよいという感想もあります。個別の医療相談はやめてほしい、個人的な話は病院で聞けばよい、という意見もあります。でも、私たちの考えはこうです。個別相談を題材に、先々の事は思い悩まないようにしましょう、痛みは我慢しなくてもいいですよ、これから使える治療薬もたくさんあるので決して悲観する必要はないですよ、明るい未来はすぐそこに、といった答えを、参加者全員で共有することが、この会の大切な目的だろうと思います。次回も楽しみしています、と笑顔で帰って行く参加者を見送るとき確実な満足を感じるのです。

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投稿者: 渡辺 亨

腫瘍内科医の第一人者と言われて久しい。一番いいがん治療を多くの人に届けるにはどうしたらいいのか。郷里浜松を拠点に、ひとり言なのか、ぼやきなのか、読んでますよと言われると肩に力が入るのでああそうですか、程度のごあいさつを。

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