2006年に導入した電子カルテ、我が社のような中小診療所では、端末10台程度、サーバー1台です。しかも、ベンダーは大病院の電子カルテの定番となっているNEC、富士通、IBMといった大手ではなく、診療所専用の、名前を聞いたことのないような中小企業です。導入後7年間、バージョンアップも全くなく、使用に不便、不具合、不都合があっても、そのまま使わざるをえず、たまに訪れる担当者にクレームをつけようものなら、その後、担当者は全く顔を見せなくなる、と言う状況です。なので、仕方ない、として、不便、不具合、不都合に慣れないといけない、という忍耐力が要請され続けます。代表的な不具合を一つあげましょう。それは、「A5用紙」の使用です。我が国は、いつの頃からか知りませんが、用紙はA系列とB系列があります。A1、A2,A3,A4,A5と番号が大きくなるにしたがって、サイズは半分半分になっていきます。最近では事務用紙の標準はA4で、A4が入るよう、小学生のランドセルも大きくなりました。以前は、それより小さいB5が事務用紙の標準でしたがA4が標準になった理由は、欧米で使用されてきた「レターサイズ」がA4 に最も近いので、最近ではA4はインターナショナルサイズとも呼ばれています。大病院の電子カルテで使用されている用紙は、まず、まちがいなくA4だけです。ところが、電子カルテでは処方箋の用紙に「A5」を使用することが義務づけられているのです。電子カルテで打ち出される処方箋には、「JIS企画A5を使用すること」の一文が必ず記載されて言います。試しに電子カルテを使用している病院で、たとえ使用している紙がA4でも、「JIS企画A5を使用すること」と小さくかいてあるので確認してみてください。しかし、A4が事務用紙の定番ですから汎用のインクジェットプリンターも「A4のみ」のものは9800円で売っている場合もあります。ところが、電子カルテは、「A5」用紙の使用が求められるため、汎用プリンターが使用できません。A5を使用するためには、用紙トレイが複数あるようなプリンターにせざるを得ず、しかも電子カルテ業者がデフォルトとして導入するプリンターは10万、20万円という高価なものなのが現状なのです。しかし、大病院の電子カルテは、NECでも、富士通でもIBMでも、A5用紙なんて使ってません。「JIS企画A5を使用すること」という当局の指示を無視してA4用紙を使っているのが普通です。実際、A5を使う必然性は全くなく、不便、不合理、不経済極まりないのですが、中小企業ベンダーは「A5」使用を羊のように従順に守ります。なぜA4ではだめなの? と聞いても当局の指示だから、というような答えしか返ってきません。管轄当局がどこかもわからず、不合理が不合理のまま踏襲されているので、こういう状況は我慢ができません。以前、大病院の薬剤部長とか、厚労省医薬安全局の課長補佐クラスで、メルアドのわかっているお役人に尋ねたことがありましたが、皆さん、どうしてA5が指定されているのか、どこに「陳情」すれば、A5の不合理のなぞが解けるのかわかりませんでした。こういう状況に接するといつも思い出すのは黒澤明監督の映画「七人の侍」の従順な農民の姿です。お上の不合理な指示に黙って従わなくてはいけないこと、我慢できません!!
はじめまして。200床の病院の総務課の者です。
日々の業務お疲れ様でございます。
根拠は、保険医療機関及び保険医療養担当規則 (昭和三十二年四月三十日厚生省令第十五号):略して療担規則です。その第二十三条(処方せんの交付) に、「保険医は、処方せんを交付する場合には、様式第二号又はこれに準ずる様式の処方せんに必要な事項を記載しなければならない。」とあります。
様式第二号は2012年に改訂されています。
東京都保険医協会にダウンロードのURLがありますので記しておきます。
http://www.hokeni.org/top/download/download.html#dl38
このページの下の方に
「処方せん書式【様式第2号(第23条関係)】」があります。
A4版とA5版それぞれあります。
ご参考になさってください。
コメント、どうもありがとうございました。療養担当規則は、浜松オンコロジーセンター開設後、何回も痴呆医務局の「集団的個別指導」に呼び出され朗読させられましたが、A5の根拠がここにあったとは知りませんでした。昭和32年の厚生省令に今でも縛られるのはおかしいとおもいましたが、2012年改訂ということでA4でもOKということでしょうか? しかし、A4の方にも欄外に「日本工業規格A列5番を標準とする」と書いてありますが、どゆこと? 教えてください。