最後のしゃんしゃん


あすはいよいよ虫害しゃんしゃんです。後半のパネルディスカッションの司会をやることになっていて、事前に虫害お仕着せスライドとNHKばりの(ここで笑い)みたいなやらせシナリオが準備されてきました。しかーし、スライド作成の基本原則〈例:文字は7行まで、左上から右下への流れ、など)が全くできていないごちゃごちゃなスライドだったりで、しゃんしゃん大会といえどもそれなりにポリシーを発揮しなくてはいけないだろうから、いくつか手直しして、上質しゃんしゃんとなるようにしてみました。なぜなら、当局の締め付けが厳しくなり、これが史上最後のしゃんしゃん大会となるからです。最後は蛍の光が流れる中、大内天皇の権能自慢で締めくくりとなります。

第13回 浜松オンコロジーフォーラムを終えて


先週土曜日に開催された第13回浜松オンコロジーフォーラムは、味のある三人の演者の講演で盛り上がりました。高知の杉本健樹先生の話は、「余命1ヶ月の花嫁」にマスコミがとりつき20才からマンモグラフィ検診を、というばかげたキャンペーンに対して、若い患者に対して何をする必要があるのか、ということを真剣に考え、そこからBRCA変異をきちんと評価すべきであるという視点から猛勉強して、遺伝性乳がん・卵巣がん症候群の骨太の診療体制を構築した話は、なるほど、すごい説得力があり示唆に富むものでした。これぞ本物、という感じです。翌日は、ロビンと、ロビンのまたいとこにあたるはるちゃんの実家、ブリーダーの丸尾興商鈴木さんを尋ね、はるちゃんの父親犬に会ってきました。静岡の高木正和先生には、外科医の神髄を話してほしい、と依頼し、期待以上のすばらしい話でした。高木先生は、根っからの外科医ですから手術を基軸に、術前に必要なことは、科学的な臨床試験の取り組み、と、患者に対する最善のコミュニケーションを図ることである、手術中は、術者、第1助手、第2助手らと心を合わせるグータッチで手術を開始し権威勾配を踏まえた協調、協力の必要性、そして手術手順の原則を外した助手には強烈な頭突きで諫める指導姿勢は21世紀を通じて伝承されるべきものであると思います。術後に必要なことは病態をしっかり把握できるような手術検体の処置が必要であり、決して手を抜いてはいけない、と、そして、毎朝7時30分にICU回診を行う指導者の意気込みも、静岡県西部のジュビロあたりの医師にもしっかりと見習ってもらいたいものだと思います。翌日は朝6時すぎから一緒に朝のジョッギングで、付属小学校あたりまで約1時間、楽しい時間を過ごしました。三人目の演者、杏雲堂の小尾俊太郎先生は、ガラパゴス肝動注の位置づけについて、奔放な持論を展開し、私たちに多くの突っ込みどころを提供してくれ極めて感慨深いものがありました。聴衆の多くは冷ややかにやはりきちんとした科学的検証が必要であるということを学ぶことができたと思います。次回は、来年4月12日(土曜日)、頭頸部癌の放射線治療の話、HER2陽性転移性乳がんの話、QOLの正しい評価方法を学ぶ話を予定しています。しっかりとオンコロジーを習得するには、様々ながん医療を包括的に学び、底流となる理念、考え方、行動学を地道に習得することが一番大事であり、他に道はないと思います。

そろそろ終わります 動画配信


乳癌学会の「主たる3会場」でのセッションを録画した動画を3か月限定で配信してまいりました(動画配信はじまります)。10月8日で終了致します。これで第21回学術集会すべての企画を終了致します。ご協力ありがとうございました。

こんな事が許されるのでしょうか?


ふみかたくんからのレスがないので、タイトルと内容を一部改訂しました。

子宮内膜がんと診断されて大学病院に紹介された患者さん、手術を勧められましたが、知人が横浜の血管内治療がいい、いいと勧めたので、大学病院での手術を断り6か月間通って血管内薬剤注入をうけたそうです。しかし、出血が続き、腫瘍が大きくなってきたと言われたということで、セカンドオピニオンを求めて当院へ。患者さんが月々の注入薬名を書き写したメモをみてびっくり仰天!! それにはハーセプチン、ベルツズマブが使用されていると書いてあるではありませんか。子宮内膜がんに抗HER2治療? しかも血管内注入? 以前もこのクリニカにかかっていた乳がんの患者さんがセカンドオピニオンを求めてきたことがありました。そのときもとんでもない薬剤が注入されていました。保険診療ではないからといってこんなことが許されていものでしょうか? 癌治療学会とか臨床腫瘍学会などの学会は黙っていてよいものでしょうか? 迷惑を被るのはなにも知らない患者さんたちです。

痴呆会にならないために


乳癌学会が終了して、夏休みも終わり、あらたな活動シーズンに入りました。昨日、本日と乳癌学会中部地方会がありました。我思うに、地方会の基本はエビデンスレベル4、5の研究、つまり、症例報告とか、後ろ向き研究の発表を基本として、徹底的に討議して、どうすればレベル3,2,1への足がかり、勉強のとっかかり、研究のヒントが得られるか、と言うようなことの示唆が得られることが、最も重要ではないでしょうか。そういう観点からは、座学であっても教育講演として、EBM入門、とか、臨床研究の進め方、とかはあってもいいと思います。フロアーからの質問、コメントも、やっぱり低調です。まあまあ、穏便に穏便に、という風潮はやっぱりだめでしょう。実際、漢方#48が効く、という思い込みとバイアスの固まりのような最悪のケースシリーズ4例の報告もあり、「漢方薬はランダム化比較試験に向いていない」というセピア色の情けない主張がスライドに出ていて、これは指導者が悪いのではないだろうか?、発表者は多少、今後に期待できるような若者ではありましたので、思い切り突っ込んでしまいました。また、今のような教育セミナーも学会(学術集会、地方会)からは切り離して、年1-2回、別会場、別オケージョン、有料でやるのがいいでしょう。あるいは、企業スポンサーのしゃんしゃん大会をチューンアップして、薬剤よいしょではないように複数社相乗りで、実臨床の達人シリーズのようなケースカンファレンスを深めればいいのではないだろうか。ランチョン、モーニングなども、最近の傾向として企業太鼓持ち的な方向に、激しく傾いており、しかも、演者もそれに気づいていないような哀れなセミナーが増えています。また、MMG ECHO読影の技術講習も学会(学術集会、地方会)からは完全に切り離すべきでしょう。学会の時間を使ってのついでの技術講習に意義を主張する人もいますが、見ていると自己学習でも十分できるような内容なので、あれは、インターネットでやってもいいでしょう。同一会場に同一時間帯に集まる意義は、討論を通じた「情報、知識、理解の共有」にほかなりません。痴呆会を地方会にするには、いろいろと考えるところ、思うところがありまする。

イントロビデオ「いい奥さんをもらおう」


講演の前の5分ぐらい、ストーリー性のあるショートムービーを流す企業がふえています。5−6年前のアストラゼネカがはしりだったと思いますが、がんの告知をされた女性が家族にささえられ、不安や心配を乗り越えて治療に前向きに取り組むまでに至るというやや感動的な作品、二作目もあって、「あつしー」と、福内先生が呼ばれる場面は感動的でした。昨日見たのは中外(虫の害とは異なる)のもの、医局に泊まり込み、朝から手術、外来、抗がん剤点滴、カンファレンス、夜中の回診と、滅私奉公をする若手医師の姿をドラマ化、中心テーマは、奥さんが届けに来た着替えをナースが、先生これ、といって手渡すというところに表現されていて、「理解のある奥さんをもらわないといい勉強ができません」というもの。幸い、我が家は理解のある奥さんなので問題ありませんが、周りを見渡すと、このテーマで苦労している同士が実に多く、中外さんも実にいいところに目をつけたものだとただただ関心しています。中外にあっぱれー!!

しゃんしゃん大会がやってくる


さてと、夏休みも終わり新たな活力を得て新学期を迎える。まず、やってきたのが各社しゃんしゃん大会の段取り合戦である。しゃんしゃん大会という用語、すでに一般名詞として定着しているが、かつては、あれが学会だと思っていたという人もいた。しゃんしゃん大会には各社1億近くの予算を計上しており、品川あたりの高級ホテルで数百人の参加者を見込んで盛大に盛り上げる。そのためには、顎・足・床付きで、アテンドと称して各地MR君がすべての参加者に地元から東京まで同行する。しゃんしゃん大会には、ふさわしいしゃんしゃん芸人が登場するが、この人選もいろいろとあるらしい。当然、国家公務員は除外かと思ったら、そんなことはなくって主たる活躍をしている芸人も多い。私が国家公務員の頃、しゃんしゃん芸人を演じたが当時はまだ、戒律が緩かったのでなんでもありの時代だった。とはいえ、一線を画して登壇していたので、T社、C社の同系統の薬剤で共通のスライドを使用するというような伝説のS先生のような芸当はできなかった。どうしても断れず今年、登壇することになってしまってこまってしまっている大会の人選案を見せてもらったところ、俺にも挨拶させろ、とか、俺の出番はどこだ、と、言ってくる大御所がてんこ盛りで、挨拶の司会、挨拶、挨拶のまとめというような感じで、三役そろい踏みである。それなりにギャラが発生するわけだから無理からぬところであるがこれはいったいどんな風に収拾をつけるのか楽しみである。また、昔の話だが、しゃんしゃん大会でI先生がエビデンスとは無縁の世界で発売記念薬を思いっきり持ち上げたことがあった。楽屋に用事で来た、当時はまだ純粋だった若手のM君が早速、先生、あの話のエビデンスはなんですか?と食いついた。そしたら、さすが、しゃんしゃん芸人の権化、I先生は、わっはっは、ご祝儀、ご祝儀と、艶っぽい笑顔で一笑! M先生も目が点ということもあった。今年は、臨床試験で取り返しのつかない汚点を残してしまったN社はさすがに自粛だそうだ。あの事件発覚前には意気揚々と、先生がなんとおっしゃっても我が社は誇りを持ってハイレベルな学術集会を開催しますのでのご了解ください、と浜松まで啖呵を切りに来た日が懐かしい。しゃんしゃん大会も来年以降はフェードアウトします、乳癌学会があれだけ充実していれは、もう必要はありませんよ、という正論を唱える虫はさすがである。しかし、俺にも挨拶させろとしゃんしゃん大会たかりの虫はまだ駆除できていない。

動画配信


21回日本乳癌学会学術総会の口頭発表(プレナリーセッション、厳選口演、会長講演)は、原則としてすべて動画配信する予定です。「情報・知識・理解の共有」をテーマとした本学術総会では、時間、空間をともにして十分に討議を行うことを旨とし、その成果は多くの方々から好評を得ております。学会と言う公共の場で発表された内容については基本的にはすでに、個人情報保護の観点、利益相反の観点、著作権の観点から、動画配信に抵触することはないものと考えており、学会会員を対象にすべての発表を動画配信する方向で準備を進めています。ただ、一応、各演者には動画配信についての諾否は伺いますが、万が一、動画を公開できないという場合には、その理由を伺い、個別によくよくお話を伺いたいと思います。演者の皆さん、宜しくご協力のほど、お願いいたします。

会長講演ユーチューブ


乳癌学会では30分の会長講演を行うことになっています。内容は何でもいいのですが、広い人脈を持つ芳賀先生は青木功氏をお呼びになり楽しい講演でした。大内先生はご自身の権能と業績をしっかりと誇示された力強い講演でした。西村先生は九州・沖縄地区の実行委員総動員で、今後の乳癌診療の方向性をしめす深みのある講演でした。今回は20才を迎えた乳癌学会ということを考えて、自分の成長ーこれは乳癌学会によって成長させてもらったことなどを含めてーと、乳癌学会の今後の成長という切り口から話したところ、多くの方々が良かった、良かったと言ってくれました。また、聞き逃したのでDVDを送ってほしいという依頼も多いので、ユーチューブに載せることにしました。これがきっかけで、また、訳のわからない患者団体からいちゃもんがつくかもしれませんが、興味のある方はごらんください。クリック ☞「成長する乳癌学会 -今後の課題-」

乳癌学会に参加された皆さんへ


今朝の浜松は、まるで梅雨明けしたかのような、夏の陽光が照りつけています。先ほど、ロビンをつれて、少し長い距離を走ったり、歩いたりしてきました。皆様におかれましては、益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。

さて、この度浜松市で開催いたしました第 21 回日本乳癌学会学術総会は皆様方のご協力、ご支援のお かげで演題応募数 1848 演題、参加者 5669 名という盛況のもと無事終えることが出来ました。改めて 熱く、厚く御礼申し上げます。

日本乳癌学会が昨年の熊本大会で20 周年の節目を迎えたということ、および、現存する議事録にありますように仙台国分町での元祖企画委員会での決定を受け、今回は新たな出発という意味も込め、「情報 知識 理解の共有」というテーマのもと、以下のような新しい取り組みをいたしました。

1 主たる三会場でのプレナリーセッション
2 三日間を通じての看護師向けセッション
3 厳選口演セッション
4 ポスター討議(レビュー)セッション
5 コンセンサスカンファレンス
6 Meet the Expert
7 ポスターのオンライン登録および事前印刷
8 抄録集の電子化
9 患者セミナー
10 P-1グランプリ

私たち実行委員会は約2年間、懸命に準備しこれ以上のものはないと思っており、今後の学術総会に引き継がれていくことを夢見ております。しかし、冷静かつ客観的評価は、ご参加頂いた皆様方お一人お一人に委ねたいと思います。
本来であれば直接お目にかかり御礼申し上げるべきところではございますが、まずは略儀ながらブログ にて御礼申し上げます。末筆ながら、皆様のご健康と益々のご発展をお祈り申し上げます。

第 21 回日本乳癌学会学術総会 会長 渡辺 亨

2013 年 7 月2日