インフレ犬


黒の豆柴が動物番組に登場、あどけなく歩く子犬の姿や、4分の4拍子で街を散歩する成犬の姿は、愛犬ロビンそっくりで、やっぱり黒の豆柴サイコー!!と思いました。ところがそのあと、ペットショップの映像になり、この子犬1匹650、000円と!! 今は豆柴ブームで価格も高騰しています、との説明。ロビンは8年前、10万円で我が家に来ました。政府が四苦八苦してデフレ脱却と言っているのに犬の価格は超インフレでござる。

ナイチンゲールは泣いている(2)


ナイチンゲール誓詞は次の5つの誓いからなっています。第一の誓いは「われはここに集いたる人々の前に厳かに神に誓わん、わが生涯を清く過ごし、わが任務を忠実に尽くさんことを」です。これは、全知全能の神の前に神から与えられた看護師としての使命(ミッション)を忠実に行うことを誓うという信仰告白のようなものです。自分をガラス張りにして謙虚に生きる、仕事をするということです。
第二の誓いは「われはすべて毒あるもの、害あるものを絶ち、悪しき薬を用いることなく、また知りつつこれをすすめざるべし」です。清原に聞かせたい誓いであります。また、第三の誓いは「われはわが力の限りわが任務の標準を高くせんことを努むべし」ということで、ワーク・ライフバランスではなく、ワーク・ライフ・スタディバランス、スタディ無くして向上なし、ということを述べています。そして第四の誓いは「わが任務にあたりて、取り扱える人々の私事のすべて、わが知り得たる一家の内事のすべて、われは人に洩らさざるべし」で、これは守秘義務を述べています。医療者は法的には刑法第134条と保健師・助産師・看護師法42条で守秘義務が定められていますが、今一度、この第四の誓詞と法律の条文を確認しておきましょう。そして最後の誓いが「われは心より医師を助け、わが手に託されたる人々の幸のために身を捧げん 」で、あの手のおばさんたちが目くじらをたてるところ。しかし、これはチーム医療の真髄を伝えているもので謙虚な気持ちで受け入れなくてはなりません、もうわかりましたね。

ナイチンゲールは泣いている(1)


  • 日本国際ギデオン協会という団体が医療者向けに無料で配布している新約聖書があります。この最初のページに「ナイチンゲール誓詞」が印刷されています。しかし、ナイチンゲール誓詞を多くの反体制看護師はその最後の条文が気にくわない、といって頭っから否定しています。国立がんセンター病院に赴任した年に新人看護婦の中沢静香さんという活発な女性がいて「ナイチンゲール誓詞は間違っています」と息巻いていたことがきっかけでそれ以来、私はナイチンゲール誓詞を折りを得ても得なくても読んで我が成長とともにその解釈を深めているように思います。時どきの問題意識を持ってナイチンゲール誓詞を読むと、やはりいいことが書いてある、医療者は心にとどめておくべき誓いの言葉だと感じます。
  • 反体制看護師が気にくわない最後の条文とは「われは心より医師を助け、わが手に託されたる人々の幸のために身を捧げん 」というところ。看護師は医師の下働きではない、看護と医療は別物だ、など、いかにもあの手のおばさんたちが言いそうなこと、しかしそれはあまりに了見が狭すぎると思います。看護師は医師を助け、医師は看護師を助ける、それぞれの専門性を尊重しあうことがチーム医療の原点である、と考えれば、ナイチンゲール誓詞の本質が見えてくるでしょう。

個人輸入の効能


ハーセプチンの日本での治験が終了して、学会で第I相試験の結果を発表した頃、つまり1990年台後半ですが、どうしてもハーセプチンを使いたいという若い女性患者がいました。その方は胃がんの肝転移、ある大学の基礎系研究室の秘書さんで、そこの教授が「HER2タンパクを染色したら陽性だったので是非使えないでしょうか。胃がんには効かないのでしょうか?」と、当時私が奉公していた国立がんセンターまで尋ねて来られました。胃がんでもHER2タンパクが染まるという話は当時既に知られていましたし、♪赤い鳥小鳥、なぜなぜ赤い、赤い鳥小鳥、あーかい実を食べた♪、の歌にあるように、胃がんだからこの薬、乳がんだからあの薬、という話ではなく、HER2タンパク陽性ならハーセプチン、赤い鳥なら赤い実と思っていましたので、その教授と一緒にいろいろと考えて見たのです。しかも、おのやくではないので、適応外は認められません、とか、お宅は認定施設ではありません、なーんていうことは、言わずにね(笑い、^0^)。
国内での流通経路はまだ無く、当時のロッシュも親身になって検討してくれましたが、国内に薬がないのでどうにもなりません、ということで、個人輸入の方策をいろいろと検討したのです。そのころは、インターネットがやっと普及し始めたころで、WEBで検索とかホームページは、まだ、あまり普及していませんでした。米国の友人にpharmacyを教えてもらい、電子メールで問い合わせたところ、担当者からの返信は、主治医のcertificate (証明書)、主治医の処方箋を遅れ、金を振り込め、という簡単なものでした。ASCOの会員番号でOKで、処方箋も簡単なものでOK、お金は、間に入るとややこしいので、本人から直接電信で振り込んでもらいました。担当者は、Bob といって、メールはHi. DOC で始まります。それで入手したハーセプチンで肝転移はみるみる縮小して、元気になりました、という連絡があり、その後も、何回か輸入をしたように覚えています。個人輸入は便利な手立てですが、税関通過に数日を要するなど、まだまだ障壁があります。しかし、障壁を撤廃すれば、海外から高い薬を利用者の個人負担で輸入できるわけですから、医療費の削減に貢献するとも言えるでしょう。

恐れいります


渡辺先生
すっかりご無沙汰しております。オプジーボの納品に関しましては、非常に不快な対応となりコ・プロモーション会社(日・韓・台)としてもお詫び申し上げます。ニボルマブ・ヤーボイ納品についてのロック解除は 施設要件(全例調査協力の契約も含む)・医師要件 を当局に届け、進めているのですが第一の目的は適正使用・安全性確保ですが、裏ではとんでもない施設には納品しないという考えもあるようです。日本での製造販売がおのやくひんなのでOncologyシロートぶりを出してしまったようで、改善は何度も申し入れております。しかしながら最終決定はおのやくひん299年の歴史、ちょっとやそっとじゃ考え変えない)!! 医師要件の一つに 日本臨床腫瘍学会の「がん薬物療法専門医」であることという記載があるのですが試験問題作ったり口頭試問やっている先生に、あなたは「暫定指導医」で「がん薬物療法専門医」ではないので駄目です。と言ったとか・・・

BMSITSGTNM様
わざわざ、ご連絡ありがとうございました。御社はこの件では弱い立場なんですね。以前、厚生省が決めたタキソールの薬価を「やってられねーや!」とちゃぶ台返ししたような勢いはもうないのか、それとも、大人の対応になったのか、いずれにしてもお気遣い下さりありがとうございました。恐れいります。患者さんは自費診療でもいいです、ということですので、海外から輸入して治療と言うことになりました。これならおのやくひんは、うちは関係ありませんといえるわけですからね。299年の歴史っていうのはそういう保身の術を構築している、ということなんですね。すごいですね。でもサービスは二の次なんですね、よくわかります。今後とも弱き我らをご支援ください。

おのやくひんの心得


薬剤は問屋から仕入れるのだけれども、その問屋が売ってくれない、ということがおきた。なぜ? と聞くと、薬屋の許可が下りない、という。おのやくひんに聞くと、「施設要件を満たさない」というのた。「どういうことですか?」と尋ねると「オプジーボはとても副作用が強い薬なので、お宅はその対応ができないということです。」とおっしゃる。「オプジーボ:Opudivo、一般名、Nivolumab」の臨床題III相試験結果はNew England Journal of Medicineだけでも、肺腺がん、肺扁平上皮がん、悪性黒色腫、腎がんなどで公表されているが、グレード3以上の副作用は10%、その中身は、疲労、倦怠感、無力症、悪心、嘔吐、皮疹、など、いずれもたいしたものはない。「お言葉ではありますが、当院は、開院以来、外来で500症例、三万回の抗がん剤点滴をしていますがね、副作用で死亡した患者は一人もいませんし、入院を要したのは二回だけ、どんな副作用でも対応してきている、という実績があります。それはご存じですか?」と伺いますと、「間質性肺炎など重篤な合併症もでています。お宅は多列CT検査が出来ない、と聞いています。」とのこと。「そうですね、海外の臨床試験の報告でも、間質性肺炎が400例中1例でていますね。たったの1/400=0.25%、しかも死亡していませんよね。実際、当院でも間質性肺炎がでたことは20例ぐらいでありますが、別にCTで調べなくても、自覚症状と、聴診と、胸部単純レントゲン写真で診断できるものです。ステロイド点滴などで、対応して問題ありませんでしたよ。CT検査、必須ですかね?」とお尋ねしましたところ「CTでないと診断できないような間質性肺炎もありますからね」というようなことをおっしゃる。「症状が無いような軽い間質性肺炎は、放っておいても大丈夫、ってことじゃあありませんか?」と控えめに伺うと、「当局からも間質性肺炎には十分に注意するようにという指示がございます。」とのこと。結局、悪いのは当局ということらしい。ならば、しかたない、別の手立てを考えようと思い、結構ですと、おのやくひんからは薬剤を供給してもらうことはあきらめた。後日、おのやくひん本社から、改めて断りにと、頭は悪いけど偉い人が浜松まできた。こちらも忙しかったのでお目に掛かることはなかったが「医学専門家の先生のご了解も頂けませんでしたので」ということを言って帰ったようだ。結局、医学専門家や厚生労働省がストップをかけて治療を求める人々に薬を届けることができない、というのが、おのやくひんの見解のようだ。ああ、そうかい、そうかい、よくわかったよ、おのやくひん!!

医療費の実際(1)


大腸がんでベクティビックスの点滴をしていたAさんと乳がんでアバスチン+パクリタキセル点滴をしていたHさんは小学校の同級生、待合室で「あらーっ久しぶり、どうしたの?」となって、それから、いつも「次もAさんと同じ日にしてください」、「Hさん、次、いつ?」 と、つるんで点滴を受けていました。二人が言うには、「渡辺先生、随分、もうけているでしょう。うはうはなんじゃない、だって、私たちの医療費、毎回、すごいわよ! でも、良く効いてるからいいけどね、じゃあ、点滴して帰ります、ありがとうございましたー」と、明るい点滴を続けていました。

たしかに、ベクティビックスは1回約23万円で2週間毎の繰り返し、アバスチンは2週間に27万円、パクリタキセルも1回4万円ぐらいで毎週の点滴。患者は3割負担で高額医療制度もあるので、実際、支払う額はもっともっともっと少ないけど、彼女らは「渡辺先生はものすごく儲けている」という印象をもったわけです。世の中、同じように思っている人は多いと思いますよ。しかしだね、薬剤は「問屋」から仕入れるのだけど、高額な薬剤などは、ほとんど値引きがない。しかも、病院が問屋から買う時には消費税をはらうけど、患者が支払う分には消費税は掛からないから、病院が消費税を丸々負担しているというのが実体であります。なので、下手すると消費税分、持ち出しになることもある。外来化学療法加算として5800円がつくけれど、ほとんど焼け石に水、状態なのです。だから、患者一人当たり、病院の収入は、血圧がたかい、コレステロールが高いなどの一般内科患者と、癌患者とでは、ほとんど変わらないのです。医師になった同級生なんかから、「おまえ、よくそんなめんどくさいこと、やってるな」とよく言われますが、がん治療が私の天職と心得、取り組んでいるのでかまいませんが、、確かに、わりはあわないかも知れません。

関東一円に展開する○○中央病院とか、国際○○福祉病院系列などの大規模病院グループでは、グループとして、問屋からとさっと仕入れるため、価格交渉でも強気で、問屋もかなりの値引きをします。ハーセプチンなどは30%近く引いていると聞いていますが、その分を問屋は我々のような弱小医療機関から搾り取っている、というのが現実なのであります。天国のAさん、Hさん、仲良くしていますか?

年頭の所感 -2016-


今日から診療開始です。今年も良い診療、良い教育、そして良い臨床研究と、良い育成ができますように。去年は腐ったタマネギにだまされひどい目にあったので今年は新鮮なタマネギを見極めるようにしたいと思います。

昨年は還暦を迎えたということで、他人の人生を勝手にカウントダウンして自分の人生の物差しにするような輩も現れ考えさせられた年でもありました。確かに、還暦を過ぎれば同級生の多くは自分の活動人生の終焉を意識してのんびりキャンピングカーでも買って奥さんと全国一周の旅をしたいが、奥さんが乗り物酔いするもんで、とか、そんな話を同窓会で聞いてきました。

ある本にこんなご教訓がありました。還暦すぎたら・・・

物事を中途半端にしておかないこと:永久に未完了のままになりかねません。今やっておけばあとあと苦労しないで済みます。卑近な例が年賀状の整理です。筆王とか宛名職人といった便利なソフトがあるので、十分に吟味もしないで「昨年発送先」には今年も発送としてしまいがち。どこの誰だったっけ、といような人や住所変更後訂正されてなく何年間も「宛先に尋ね当たりません」と返ってきたり。発信、受信をチェックする機能も筆王や宛名名人にはちゃんと備わっているので、年賀状データベースのブラッシュアップも今のうちにやっておくのがよいですね。

為すべき事を慎重に選ぶこと:あらゆる事をやる時間はないのだから本当に必要なこと、意味のあることを吟味してとりくむべきでしょう。子どもの頃から手慣れていたLEGOを、試しに買ってみたらいろいろできるできる! パーツも豊富で奥が深ーい!!しかし、こんなことはやってられない、と思い直し、教会の子ども学校に寄付しました。羽生結弦もやっていたというから、情操教育には役立つはず。

人と喧嘩や仲違いをしたまま1日を終わらないこと:仲直りせぬままこの世を去ることになっても困るし、かといって、いやなやつと無理して会って話すつもりもないし、向こうもそう思っているだろうし。まあ、喧嘩や仲違いはしないにこしたことはありません。群馬の腐ったタマネギにもう一度だまされるのはまっぴらごめんですら。

まあ、いいけど・・・


NHKの7時のニュースを見ていたら、GDP(国内総生産:Gross Domestic Product)が日本は、国としてはアメリカ、中国に次いで三位、しかし、国民一人あたりのGDPは20位だそうで、過去最低、つまり、一人当たりの働き度合いは低下し続けているそうです。そのすぐあとのニュースの話題は、「今年の年末年始は、26、27,28、29、30、31、1,2,3 の「9連休」だ、というのです。9日間も休んでるから総生産が低落するんじゃあないの? まあ、いいけどね。

新刊のお知らせ


腫瘍内科医の仲間と協力して「Expert choice 乳がんレジメン」を出版しました。

第1章「乳がん薬物療法の基本」では、編集者(渡辺亨、鶴谷純司、原文堅、安藤正志、清水千佳子、勝俣範之)がわかりやすく解説しています

第2章「具体的なレジメンとその解説」では、乳がん治療に使用される細胞毒性抗がん剤と分子標的薬剤を用いたレジメンを「初期治療」と「転移・再発後治療」とのきちんと分けて具体的に解説しています。たとえば初期治療(治癒をめざした治療)ではAC→パクリタキセルという「レジメン」がよく使用されますが、これはふたつのコンポーネント「AC」と「パクリタキセル」からできています。本書では各コンポーネントを具体的に記載、そして別のページにレジメンとして、そのエビデンスを解説しています。

第3章「適切な治療マネジメントのポイント」では、副作用、患者特性、薬剤特性を詳細緻密に解説しています

医師、薬剤師、看護師、病院・診療所事務部門のみなさん、今日からの診療、業務にお役立て下さい。
乳がん患者団体・アドボカシーの皆さん、「この薬にはどんな副作用がありますか?」と尋ねられたら、この本の第3章の128ページをご覧下さい。どこよりも詳しい副作用一覧が載っています。

先端医学社から定価4300円+税で全国の本屋さんで発売中です。

アマゾンドットコムでも入手できます。下の書籍写真をクリックして下さい。でも、ちょっと気をつけて下さい。アマゾンでは「定価 12,245円」となっています。間違って「カートに入れる」をクリックしないで下さい。アマゾンも間違えるんですね。。。

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