電子版抄録集を読むために


「ピーディーエフして送ってね」とか、「ピーディーエフ形式でダウンロードできます」とか、パソコンを使っていると、日常会話の中にこの言葉が出てきます。それだけ便利なこのPDF、Wikipediaには、『Portable Document Format(ポータブル・ドキュメント・フォーマット、略称PDF)は、アドビシステムズが開発および提唱する、電子上の文書に関するファイルフォーマットである。1993年に発売されたAdobe Acrobatで採用された。特定の環境に左右されずに全ての環境でほぼ同様の状態で文章や画像等を閲覧できる特性を持っており、2008年7月には国際標準化機構によってISO 32000-1として標準化された。なお、「PDF」自身に「フォーマット」という単語が含まれているので、「PDFフォーマット」と呼ぶのは冗長である。』とあります。

乳癌学会の抄録もホームページからPDFでダウンロードすることができます。PDFをダウンロードした場合、ウィンドウズマシン、アンドロイドスマートフォンならば、アドビ社から無料でダウンロードできる「アクロバットリーダー」を入れれば読むことができます。アップル社のMAC BOOKには、アップル社製の「プレビュー」というソフトが入っているので読むことができます。しかし、読むことはできるだけ、つまり、閲覧だけで、検索したり、索引(しおり)をつけたりすることはできません。検索とは、たとえば、渡辺亨が、抄録集のどこに登場しているかを探すこと、索引(しおり)とはbookmarkとも呼びますが、閲覧したいページに瞬時に移動するための機能です。また、メモや注釈をつけることができません。

それで、抄録集PDFをもっと使いやすくするために、PDF閲覧ソフト、あるいはPDF注釈ソフトのいくつかをご紹介しましょう。

(1) iPad
「iAnnotation」、「Sidebooks」、「Documents」などがおすすめ。
(2) Android
「ezPDF Rreader pro」なんか、いいんじゃなぁ~い
(3) MAC
「PDF reader pro」はどうでしょう?
(4) Windows
ソースネクスト社製のソフトは充実しています。

というわけで、抄録集閲覧、検索、メモ書き用ソフト豆知識でした。

がん治療中のおしゃれ


抗がん剤治療の副作用に、脱毛、肌あれ、日焼け、爪の着色など、外観に大きな変化をもたらすものがあり、女性患者にとってはきわめて深刻な問題です。ところが、髪が抜けたって命には代えられないという理屈で、外観上の副作用を軽視する意見は、かつては医師の間では一般的でした。最近は、抗がん剤治療開始前にそのような副作用が現れる割合、程度、回復時期などについて、きちんと説明する医師は多くなっていると思います。しかし、問題は、我々男性医師はカツラのこと、爪の手入れ、まゆ毛の書き方、お肌の手入れなど、医療の範囲を微妙に超えるような対応策について、十分な知識や経験を持ちあわせていないことです。皮膚に明かな病変があれば、皮膚科医に相談したり、自分で治療を習得したりすることで適切な治療を提供することができます。しかし、おしゃれの範疇はどうも苦手なので、対応を患者任せにし、看護師の積極性を当てにした結果、患者に十分な満足を提供できていないこともありました。
しかし、状況は、少しづつかわってきています。抗がん剤治療で起きる外観上の副作用への対策を専門的に支援するお店ができているのです。そこでは、大手メーカーに任せず、自らカツラの作成に関与し良心的な価格で提供する、見た目もかわいく使用感も快適な部分的なカツラのついた帽子を作成、販売する、脱毛したまゆ毛の書き方を指導する、日光に過敏になる副作用をもつ抗がん剤治療をうける患者の肌の手入れ対策を指導する、など、随所に工夫が感じられます。患者の視点にたったきめ細やかなサービスを提供するため患者が集まり、定期的にお茶飲み会を開催し、心の悩みまで解放している場合もあります。そんなお店を経営しているのは、自らが治療に苦しんだ経験をもつがん患者や、がん治療病棟の看護師としての経験から問題意識を持って企業した女性です。彼女たちは、治療中のおしゃれを積極的に楽しむこつを患者に伝えているように思います。

抄録本は作らない・送らない・配らない


今年の乳癌学会では、抄録本は作らないって知ってた? の質問を10人にしたら、9人が知らないと答えました。知っていたのはホヅミン。知らなかった9人に抄録本も作らないしCDもUSBも作らない・送らない・配らない、その代わり、乳癌学会学術総会ホームページから、PDF形式の印刷可能な抄録と、ファイルメーカープロで作ってファイルメーカープロがなくても検索などが可能な「しょうろくん学会版」をダウンロードすれば、iPhone, iPhoneでもAndroidでも、もちろんパソコンでも、便利に使えることを説明したところ、7人は、OK,OK,no problemっていう反応。一人(森本卓先生)は、すぐにiPad miniを買うと言う事でした。残りのひとりは、大阪の高島勉先生は、ガラパゴス携帯しか持っていないけど、パソコンでやるから、大丈夫、大丈夫って。問題は、メールとか、Facebookとか、Twitterとか、こういうブログとか、見ない方々に、どうやってお伝えするか? です。近いうちに乳癌学会会員の方々には、QRコード付きの学会登録票を郵送するので、そこにも説明しておくことにしました。そんなわけで、学会まであと21日となりました。

チキチキマシン猛レース


がん診療の個別化をめざす動きはますます加速しています。今回のASCOでは会期前に開催された2日間のセッション「遺伝学(genetics)と遺伝子学(遺伝子学)」に参加しました。かつては、顕微鏡でみることのできる染色体異常を病気の主座と考えていた遺伝学が遺伝子の病気という認識に急速の拡大していったこと、2004年にヒトゲノムの全容が解明されるほどに遺伝子(ゲノム)の研究手段が急送に進歩しています。そして、遺伝学と遺伝子学は一つの学問体型として癒合して、がんの領域ではHuman genetics and Cancer genomics としてとらえるのがしっくりきます。メンデルとワトソン・クリックからの流れが学問として圧倒的な魅力のある領域に発展してきています。おもしろい、実におもしろい領域であり、また、大部分のがん患者の治療に関連する学問である、ということを再認識しました。個別化治療のためには、個人個人の遺伝学、ひとりひとりのがんの遺伝子学が基盤にあり、究極の個人情報である遺伝子配列にせまっていく必要があるわけです。昨日、アーマン・ブズダー先生と双璧をなすガブリエル・ホルトバジー先生が、Bolero 2試験の、後付予測因子解析の結果を発表しました。結果は、大山鳴動して鼠一匹・・・という感じでしたが、次世代シークエンサーでもって変異遺伝子を片っ端からしらべ、変異のある4つの遺伝子をとりあえず指定し、それが、どのような予後因子、予測因子としての意義を持つか、ということを、あーでもない、こーでもない、と探索した、という研究です。あくまで探索ですから、探検、冒険みたいなもので、そこに山があるから登るんじゃ、みたいな段階でしょう。これで、こっちのルートでいけそうだ、あっちを通ればオアシスに行けるかも、と言うことがわかってくると、では、そのルートがどんなもので、どれぐらい安全で、確実か、という検証的な段階に入っていくわけです。なので、今は、これをやってみました、よさそうですよ、という段階。PIK3CAの変異が半分ぐらいにあって、シグナルトランスダクションの下流には、mTORUがあるわけですから、ルートとしては間違っていないようにも感じます。お金があれば、どんどん冒険すればいいでしょう。Bolero試験のスポンサーは、日本では今、いろいろと話題になっているノバルティス社ですが、道を踏み外さず、遭難しないように進むことができるかな? 遺伝子ハンティングレースは、チキチキマシン猛レースみたいなもんですね

ビヨンドサイエンス


アーマン・ブズダー先生の久しぶりの登壇である。術前化学療法としてパクリタキセル→FECを投与するアームと、それのすべての期間にハーセプチンを加える、つまりアンソラサイクリンとも同時併用でハーセプチンを使うアームとの比較試験でpCR 65%と、驚異的な結果を報告したのが2004年のASCOであった。何かとMDアンダーソンのデータは眉唾ものという批判がある。それは私の意見ではないが、今回の発表では、それが少し裏付けられたという感じがしないでもない。それ、というのは、驚異的な結果を指すのではなく、眉の方である。ACOSOG Z1041試験は、このMDアンダーソン型の術前化学療法のFECの部分にハーセプチンを加えるか、加えないかで、pCRがどれぐらい変わるものか、を調べる試験。その結果は、ハーセプチンを加えてもpCRはかわらないというもの。また、心毒性も増強しないというものであった。それでは、ハーセプチンをアンソラサイクリンと併用で使うのか、使わないのか、会場のスティーブンボーゲル フロムニューヨークからの質問には使う必要はなかろう、との答えであった。名物おじさんふたりのやりとりはサイエンスを超越している。

抄録から見えてくるもの


乳癌学会を1か月後に控え、抄録の電子版が完成、ホームページにアップロードしました。字数の制限された抄録で研究、主張のすべては語り尽くせないでしょうが、その制限区域を如何に有効活用するかというのも発表者の知恵の見せ所でしょう。制限字数は800字。800字というスペースを与えられたら、何が何でも800字にする、799字まで書いて最後の1文字で「。」を打つ、それぐらいの気迫とがめつさがなければだめだぞ!と、恩師阿部先生には、抄録締め切り直前に、何度も何度も書き直しを命じられたものでした。なので今でも字数制限ぎりぎりの挑戦を弟子たちにも求めています。その目で抄録をみると与えられた字数をめいっぱい使っているがめついひとはあまり多くありません。100字ぐらいでさらりと書き上げている子もいます。また、評価されない抄録の代表は「発表ではさらに検討症例を増やして報告する。」って書いてあるけど、増やしたからといって何が変わるの?というもの。また、発表の際に「発表は内容が一部抄録と異っていることをお断りいたします。」というので、抄録と発表内容を比べてみると、ぜーんぜん、結論がちがうじゃん、というのもあります。今回は、ポスターもオンラインでのアップロードという形をとりました。ポスター討議の対象となっている演題では、レビューワーがポスター内容を検討してレビューに使うデータを投稿ポスターからコピペしなくてはいけないので、はやめ、はやめにお願いします、とメッドおやまだから言われており、最終的に締め切りすぎても40演題のアップロードが確認できませんでしたので、メールで確認しました。そしたら、「私は仕事も子育ても忙しくなかなかポスター作成などしてられませんから演題は取り下げます、という強烈な逆ギレにあったり、なかなか思うようなデータがでないのでポスター作成が遅れていますって、おいおい、抄録を送った時点で、差があるって、書いてあるんじゃないの? というのもあったりで、抄録からからいろいろないきざまがみえてくるもんですな、と感じ入っております。

学会ホテル 目の付け所


浜松市内のホテルはほぼ満室ですが、東海道線で西は豊橋、東は掛川あたりまでですと、1時間に3本ぐらい、豊橋からだと40分、掛川からだと25分ぐらいで浜松まで移動できます。とくに浜松から下り方面3駅目の弁天島駅前には、海に面したリゾートホテルが数件あります。グーグルで「弁天島ホテル」で検索するとじゃらんなどで予約ができます。浜松駅から20分、これは便利!! これはおすすめです、ご検討ください。

ポスター締め切りせまる


第21回乳癌学会学術総会から採用されたポスターテンプレートを使用した学会へのポスター投稿の締め切りが本日24時にせまりましたね。あと数名がまだ投稿を終了していないようです。ポスター討議に当たっている方は担当レビューワーがそのポスターから情報を抽出してレビュー用のスライドを作成します。レビューワーに当たっている方には、ポスターファイルが出そろい次第、お送りしますので、そろそろレビュースライド作成の準備を始めてください。

マックストレスの進捗


マックのパワーポイントでオブジェクトのコマンドDによる複製、コマンドC、コマンドVによるコピペができないストレス源についての原因は、新しいOS「マウンテンライオン」での日本語変換「ことえり」とマイクロソフト社のパワーポイント2011の相性がわるい、というのが原因のようです。「ことえり」を働かなくするようにする設定とか、機能設定ファイルを入れ替えるなどの方策があるとのご助言をいただき厚く御礼申し上げます。それで、やっぱり、「ことえり」は昔から煩わしいものだったのでマック版のATOK2012を昨日の朝、アマゾンに注文しました。昨日は乳癌学会の仕事で昼から東京に行きメディアセミナー、日経新聞のワットさん、桜井さんとの対談を終えて22時48分浜松着のひかりで帰宅したら、届いていましたので、早速インストール、問題は解決しました。相性がわるいのは、マックとマイクロソフト、マックとアドビフラッシュプレーヤーなど、マックの弱点、スティーブジョブスの欠点と言えますか? 柏葉先生、教えてください。

マックのストレス


4月からMacBookAirにしてウィンドウズから移行していますが、使い心地がいい面と、ものすごいストレスになる部分があり、ときどきキーボードをたたきのめしたくなることがあります。αの字がパワーポイントで入力できない、パワーポイントで、文字のオブジェクトを複製できない、どうやったらいいのでしょうか? ウィンドウズなら、コントロールDで容易に複製できるのだが、そういうのはできないみたいでいらいらします。20年前は一流のマックユーザーだったのに、とほほのほ